女性ホルモンを、生活習慣でも高めることが出来るかも
女性ホルモンの高め方を考える時、女性ホルモンと同じような働きをする食材を摂取するか、または女性ホルモンの働きをするサプリメントを摂ることしか思い浮かばない。
しかし生活習慣に気を付けてストレスをためない方法や、リラックスして生活することを心がけるだけでも症状の緩和が出来ることもある。
漢方薬を内服したり、ホルモン療法や適切な医薬品の使用により心身の不調の軽減ができることもある。
自分に合った方法を見つけて更年期を通り過ぎてしまいたいと思う。
女性ホルモンの高め方・心身の不調
1体の不調
①便秘、下痢(気持ちよく便が出ない、便秘と下痢を繰り返す、すぐお腹を壊す)
(原因)
・月経前の便秘はホルモンのせい。
・生活習慣によって胃腸の働きが低下する。
(生活習慣アドバイス)
・おへそ回りをマッサージ。
・アロマの香りでマッサージの効果をアップ。
・規則正しい食事で、食物繊維の多い食材を。
・改善には漢方薬が効果的。
・症状が続く時には検査を。
②むくみ(朝まぶたや頬が脹れている、足に靴下の跡が点く、夕方靴がきつくなる)
(原因)
・様々な要因から体内の循環が悪くなる。
・プロゲステロンが水分をため込む働きをする。
(生活習慣アドバイス)
・半身浴でのんびりしながら汗をかく。
・積極的に体を動かす。深呼吸もお勧め。
・むくみ易い足をマッサージ。
・水分はしっかりとって。利尿作用のあるものを。
・生活習慣の改善と原因となる病気の治療を。
・女性ホルモンや漢方薬も改善に効果あり。
・むくみが続きとれない時は、要注意。
③冷え(手足が冷たい、温まってもすぐに冷えてしまう、手足が冷たくて眠れない)
(原因)
・女性ホルモンの分泌の乱れが自律神経のバランスを崩す。
・病気が原因となり冷えが起こっていることも。
(生活習慣アドバイス)
・半身浴で体を芯まで温める。
・筋肉を動かして体の端まで血液を送る。
・必要な栄養をしっかり取り体を温める。
・年齢と共に不足する栄養やビタミンを補ってサプリメントをとる。
・女性ホルモンのバランスをととのえる漢方薬もよくつかわれる。
・突然冷えを感じるようになったら注意。
④腰痛(腰がだるい、痛みで座っているのがつらい、朝腰が痛くて曲げられない)
(原因)
・女性が起こしやすい筋肉の疲れからくる血行不良。
・婦人科系の病気や骨の異常が隠れている時もある。腸や膀胱腎臓の病気が原因のこともあります。
(生活習慣アドバイス)
・入浴で温めて痛みを緩和。ただし急性期は冷やす。
・筋肉を伸ばし、使って筋力と血行をアップする。椅子に座ったまま体を腰から前に倒したり後ろを見るように腰を左右にひねるだけでも違います。
・姿勢を正し腰に負担を掛けない。
・まず痛みを抑えて生活を見直す。
・強い痛みが長く続く時は受診する。
⑤目の疲れ、ドライアイ(目がショボショボする、目が充血する、目がかすむ)
(原因)
・エストロゲンの低下でコラーゲンが不足する。
・自律神経が乱れると涙の量が減る。
(生活習慣アドバイス)
・パソコンで長時間作業を続けず、瞬きも多くする。
・タオルを温めたり冷やしたりし目に当てます。目を動かして刺激を与えると目の周りの筋肉がほぐれます。
・食事は色の鮮やかな食品(緑黄色野菜や果物)を摂取する。
・不足するコラーゲンやアントシアニンなどのサプリメントを。
・女性ホルモンで他の不調も改善。低用量ピルやエストロゲン剤を試してみても良いでしょう。
・症状が続く時には注意、病院へ。
2心の不調
①物忘れがひどい(人の名前が出てこない、忘れ物が多い、細菌のことなのに思い出せない)
(原因)
・エストロゲンの減少により、脳の働きが悪くなるせい。
・オーバーワークも記憶力を低下させる。
(生活習慣アドバイス)
・根菜レシピで、脳のエネルギーアップ。
・DHAやEPAのサプリメントで、脳の老化を防止。
・全身の血行を良くして脳の活性化。
・香りが脳を刺激し記憶力をアップ。
・エストロゲンを補充して脳の機能を守る。
・漢方で物忘れを改善。
・日常生活に支障があるなら早めに受診。
②不眠、眠気(寝つきが悪い、眠りが浅く疲れが取れない、常に眠いと感じる)
(原因)
・ストレスや疲労の蓄積で悪化する。
・眠りの質が悪いと常に眠気を感じる。
(生活習慣アドバイス)
・心地よい睡眠をとるためのポイント。
・深呼吸で快適な眠りを誘う。
・朝のウオーキングで一日のリズムを作る。
・カフェインを控えハーブテイでリラックス。
・不眠のツボと眠気覚ましのツボ。
・早めの対処で長引かせない。
・睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われる時もある。
3肌の不調
①爪がもろい(つめがすぐに割れる、爪につやがなく筋がある、2枚爪になりやすい)
(原因)
・爪の栄養不足や乾燥、洗剤による刺激が原因。女性ホルモンにはカルシウムやたんぱく質を保持しコラーゲンの生成を助ける働きがあります。女性ホルモンが減少すると爪の栄養不足が進むのはその為です。
(生活習慣アドバイス)
・タンパク質やカルシウムをとる。ビタミンやミネラルを多く含む食品を摂るように心掛ける。
・漢方薬で血行を良くする。
・ハンドマッサージで血行を良くする。クリームやオイルを塗ったら手指のマッサージをしてみる。
②抜け毛、薄毛、白髪(髪を洗うとよく抜ける、髪のボリュームがなくなった、白髪が増えた)
(原因)
・髪の栄養不足でやせたパサパサの髪になる。
・紫外線や乾燥は髪を痛める。
・ストレスやホルモンバランスの乱れも髪の老化を早める。
(生活習慣アドバイス)
・ヘッドマッサージで頭皮の血行を良くして。
・髪に栄養を与える食品を多くとる。
・ストレスを無くしてしっかり眠ることが大事。
・ホルモンバランスを整え、髪に栄養を行き渡させる。
・白髪や抜け毛は病気が原因のこともある。
③しみ、くすみ(最近しみが出来た、化粧をしても肌がくすんでいる、薄かったしみが濃くなった)
(原因)
・紫外線の害から守るメラニン色素の沈着。
・ホルモンバランスの乱れからシミをつくりやすくする。
・くすみは血行の悪さが原因。
・生活習慣の乱れも肌へのダメージが大きい。
(生活習慣アドバイス)
・紫外線対策は手を抜かない。
・ビタミンCとEをサプリメントでしっかり補給。
・注目のビタミンC誘導体配合化粧品を使う。
・女性ホルモンはくすみやシミの治療にならない。
・漢方で肝機能を高めてシミやくすみをできにくくする。
④しわ、たるみ(皺が目立ってきた、肌に針がない、顎や首回りがたるんでいる)
(原因)
・紫外線が肌を傷つけている。
・エストロゲンの減少で肌の水分量も低下する。
(生活習慣アドバイス)
・ローズヒップで肌のマッサージを。
・しわやたるみを抑えてフェイスラインをスッキリ。
・たるみにはストレッチやウオーキングを。
・胃腸の働きを助けてたるみ予防。
・女性ホルモンを補うと肌のはりと潤いが持続する。
・甘いものや炭水化物の摂りすぎは要注意。
⑤乾燥、かゆみ(肌がかさついている、化粧ノリが悪い、肌のあちこちが痒い)
(原因)
・年齢とともに肌の新陳代謝が衰える。
(生活習慣アドバイス)
・コラーゲンとビタミンCで肌に潤いを与えて。
・ゴシゴシ洗いは禁物。
・あまり激しくない運動を日課にして。
・女性ホルモン剤と漢方薬を併用してみても。
・乾燥する季節の肌荒れは放置しない。
参考資料:「40歳からの女性ホルモンの高め方」対馬ルリ子著