腎切石術を受ける患者の看護計画
#1腎結石、水腎症による痛みがある
目標:苦痛が緩和される
OーP(観察)
1 VS
2 疼痛の種類、部位、程度
3 放散痛の有無、持続時間
TーP(実施)
1 シムス位又は屈曲位など体位を工夫する
2 医師指示にて鎮痛剤を使用する
3 疼痛増強の場合、硬膜外ブロックを施行する為医師の介助を行う
EーP(教育)
1 水分を1500ml/日以上摂取するように指導する:腎機能の低下、水腎症をきたしている場合は除く
#2結石が粘膜を損傷することにより血尿が出ることがある
目標:血尿の出現、増強が早期に発見される
OーP(観察)
1 尿の性状:血尿の有無と程度
EーP(教育)
1 血尿を認めたら看護師に知らせるように指導する
#3結石により尿が停滞し感染を起こしやすくなる
目標:感染を起こさない
OーP(観察)
1 VS:発熱
2 膿尿の有無
3 膀胱炎症状:頻尿、残尿感、排尿時痛
4 検査データ:血沈促進、白血球増加
TーP(実施)
1 指示により抗生物質の与薬
EーP(教育)
1 水分1500以上摂取するように指導する
#4尿の停滞や尿路感染により腎機能の低下をきたす恐れがある
目標:腎機能低下が早期に発見される
OーP(観察)
1 検査データ:BUN、PSP、CCr、Na、K、Cl、Ca
2 浮腫の有無と程度
3 尿量
#5術後出血の可能性がある
目標:安静が保持され出血が予防される
OーP(観察)
1 VS
2 血尿の程度
3 ドレーンからの排液量、性状
4 創部のガーゼ汚染状況、汚染量
TーP(実施)
1 ガーゼ交換は看護師が体位を保持して行う
2 ガーゼ交換時に背部ケアを同時に行う
EーP(教育)
1 安静の必要性を話し、体位変換時は介助することを説明する
#6術直後であり体液バランスを崩しやすい
目標:体液バランスを保つ
OーP(観察)
1 指示された時間にて尿量、水分出納
2 検査データ:ナトリウム、カリウム、クロール
TーP(実施)
1 術前術直後のバランスを把握する
2 輸液は指示された時間で滴下する
3 時間尿60以下、又は時間尿が輸液量に比べて多い場合は医師に報告する
#7安静保持の為腰痛がある
目標:痛みが緩和される
OーP(観察)
1 腰痛の有無と程度
TーP(実施)
1 腰背部バスタオルをしき軽く挙上する
2 臀部に円座を当てる
3 臀部、腰背部に褥瘡予防マットを敷く
4 腰痛が自制不可の場合は医師指示にて鎮痛剤を使用する
EーP(教育)
1 安静の必要性を説明する
#8腎婁造設を行う場合、感染の原因となることがある
目標:腎婁カテーテルの管理が十分に行われ感染を起こさない
OーP(観察)
1 VS:発熱
2 カテーテル挿入部痛、挿入部の状態
3 腎婁からの尿の流出状態:量、出血の程度
4 腰部不快感、倦怠感の有無と程度
TーP(実施)
1 腎婁カテーテルと排液バッグ接続部の取り扱いは清潔操作で行う
2 カテーテルが抜けたり折れ曲がったりしないように体に確実に固定する
EーP(教育)
1 体動時にカテーテルを体の下にひいたり体に引き込まないように説明する
#9安静保持の為精神的な苛立ちが起こる
目標:安静の必要性が理解できたうえで精神状態が安定する
OーP(観察)
1 患者の表情、言動
TーP(実施)
1 安楽な体位を工夫する
2 頻回に訪室氏コミュニケーションをとる
3 家族友人などの面会によって精神的慰安が得られるように配慮する
EーP(教育)
1 安静の必要性を説明する
#10腎婁カテーテル抜去後、漏尿より感染を起こす恐れがある
目標:腎婁カテーテル抜去後の創部の回復が順調で感染を起こさない
OーP(観察)
1 VS:発熱
2 創部の状態:浸出液、漏尿、発赤、腫脹の有無、程度
TーP(実施)
1 ガーゼ汚染があれば、その都度ガーゼ交換を行う
2 漏尿が多い時は受尿器を用意する
#11退院後の日常生活に不安がある
目標:退院後の生活に自信が持て、自立できる
EーP(教育)
1 定期的に外来受診をするように説明する
2 疼痛、血尿が出現すれば受診日以外でも外来受診するよう説明する
3 尿量を保持するため1500mml/日以上の飲水を勧める
4 内服を確実にするよう説明する
5 過激な運動を避ける:長時間のドライブ、ゴルフ、重い荷物を運んだり中腰になる動作は避けるように説明する
6 便秘にならないよう予防方法について説明する
7 尿路結石では尿をアルカリ性に保たせるために菜食の習慣をつけるように説明する
参考資料:標準看護計画
コメント