肺血栓塞栓症患者の看護過程アセスメント

アセスメントの視点と根拠・起こりうる看護問題

1症状の部位、出現状況、程度の観察

症状の特徴、出現の仕方、程度を観察することにより、重症度や看護問題をアセスメントすることができ看護計画の立案に有効である

(症状の特徴)

・症状は深部静脈の血栓塞栓子が遊離し、肺動脈を閉塞、肺循環を生涯することに起因する

・呼吸困難と胸痛が最も多い自覚症状であり、突然発症する。特に述語など長期臥床後の初回歩行時に出現する場合が多い

・呼吸困難は肺胞死腔の増大による換気、血流不均衡を生じた結果、動脈血酸素分圧が低下しているために起こる症状である

・慢性的に病状が進行する場合には、労作時の呼吸困難を自覚し、時に咳や痰を認める

・他覚症状では頻呼吸、頻脈が多くみられる

・血栓塞栓子が肺血流を遮断すると肺動脈圧が上昇し、右心不全を起こす。結果、心拍出量は減少し重要な脳や腎臓、消化器などに組織循環障害を招き、めまいや失神、血圧低下、不整脈などを生じる

・失神やチアノーゼは広範な肺血栓塞栓症の症状であることが多い

・急激な脳血流の低下はめまいや失神を起こし、転倒や転落による身体損傷の危険性が生じる

・症状の出現は突然発症する場合と徐々に症状が悪化する場合とがあるが、前者の方が多い

 

(症状の程度)

・全く無症状のものから突然死をきたすものまで、重症度は様々である

・失神やチアノーゼをきたす症例では、症状の進行は早く、ショックから突然死に至る場合もある

起こりうる看護問題:肺血流障害によるガス交換障害、組織循環障害によるめまいや失神、不整脈による身体損傷のリスク

 

スポンサーリンク

2治療の効果、合併症の観察

治療の効果は病状や全身状態を管理するうえで重要な視点である。合併症の徴候の有無を観察することは合併症の早期発見、早期対応につながる

 

・行っている治療を理解する

・呼吸困難は軽減しているか、血圧は安定しているかなど治療に伴う症状の変化の有無を観察する

・抗凝固療法の副作用では、出血が最も問題となる。鼻腔口腔皮膚などの外出血が多い。重症例では消化管や頭蓋内などに内出血を生じる場合がある。症状は出血部位によりさまざまであるが、消化管出血では吐血やタール便を認め、頭蓋内出血では意識障害やけいれんなどを生じるため注意深く観察する

・抗凝固療法施行中は、日常生活において外相を予防する必要がある。患者の疾患に対する理解状況を観察し、正しい服薬管理と外傷予防に努めるように支援する

・急性期には、循環や呼吸に関する情報を得るために、多くのモニタが装着されるなかには、スワンガンツカテーテルのように、侵襲的にカテーテルを挿入するものもあり、挿入部の出血や感染に注意して観察する

起こりうる看護問題:治療や各種カテーテル挿入による感染リスク、抗凝固療法に伴う副作用についての知識不足による非効果的な管理

 

 

 

3患者家族の心理・社会的側面の把握

患者家族の疾患についての理解、不安を観察する。継続的治療を行っていくうえで、疾患をどのように認識し、どのような不安を抱えているかを知ることは、療養生活の質にも影響するため重要である

・患者や家族の疾患についての理解や不安などについて観察し、言動や表情、日常生活への影響をアセスメントする

・心理的なストレスに対してどのようなコーピング行動をとっているか、また、これまでにストレスに対してどのようなコーピングをとっていたかについて観察することは、効果的な支援を行う上で重要である

起こりうる看護問題:予期や再発についての不安

 

肺血栓塞栓症患者の看護計画はこちらです

 

参考資料:疾患別看護過程