水疱の処置は?
水疱は破裂しない限り、湿潤環境が保たれ創傷治癒が
促進された状態であるため、
透明ドレッシング材を貼付し保護する。
浸出液が貯留しすぎて水疱が緊満状態にある時は、
穿刺することもある。
穿刺後はドレッシング材や外用薬を使用し
湿潤環境を維持する。
治癒過程にある水疱
水疱は深さが真皮までにとどまる浅い褥瘡であり、
皮膚が再生して治癒に至る。
その為褥瘡やずれなどの外力から保護し、
水疱が破裂しないようなケアを必要とする。
水疱は破裂しない限り、外部と遮断され、
湿潤環境や湿度が保たれる。
また、外部との遮断により細菌や異物が存在しない。
その結果創傷治癒に必要な様々な細胞が
活発に活動しやすくなり、治癒に至ることが出来る。
水疱形成の際の局所治療
①どのような外用薬を用いるか?
水疱は破らずそのまま、破れた時には
ドレッシング材による被覆を第一選択とするが、
外用薬では創の保護目的に
アズレン、酸化亜鉛を使用しても良い。
緊満した場合は穿刺しても良い。
水疱が破れた時には、ビランや朝胃潰瘍の治癒に準じる。
②どのようなドレッシング材を用いるか?
水疱は破らずにそのままにして、創面保護を目的として、
ポリウレタンフイルムを用いても良い。
また、機能別分類Aの透明で
薄いハイドロコロイドドレッシングを用いても良い。
小さな水疱は?
小さな水泡であれば、透明フイルムドレッシング材を貼付し、
摩擦やずれなどの外力から保護する。
数日から数週間で水疱内の浸出液が
吸収され新しい表皮が形成される。
貼付期間は最長1週間とする。
ドレッシング材を除去する際は、
剥離剤を使用するなどして
上皮化した部位が損傷しないように
ケアを行うことが大切である。
大きな水疱は?
透明フイルムドレッシング材を貼付していても、
途中で水疱が破裂することもある。
水疱が緊満している際は、内容物の過度な貯留により、
創を深くしてしまうリスクがある。
このような時は水泡を穿刺して、浸出液を除去する。
途中で水疱を穿刺または破裂した後は
浸出液を吸収することで湿潤環境が維持できる。
水疱を穿刺し、浸出液を除去した後は、
薄いハイドロコロイドドレッシング材、
ポリウレタンフォームなどの使用が推奨される。
推奨されている外用薬は軟膏基材が油脂性基材な為
乾燥を防ぎ適度な湿潤環境を提供することが出来る。
参考資料:看護技術ケアの疑問解決
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