再生不良性貧血患者の看護計画

目次

#1確定診断がついていないため、疾患、検査に対する不安がある

目標:疾患が正しく理解でき闘病意欲を持ち検査の必要性が分かる

OーP(観察)

1 表情、言動

2 病名、検査の受けとめ方、理解度、不安の程度

3 患者の生活背景:

4 既往歴:原因となる薬剤使用の有無

5 重症度:軽症、中等度、重症

TーP(実施)

1 患者とコミュニケーションを持ち信頼関係をつくる

2 医師が病名について説明を行い、理解度に応じて不明瞭な点は再度補足する

3 アナムネ聴収時、原因をしる為職業薬剤使用などに注意をする

4 検査の手技内容の説明を行い、出血に注意し止血状態を確認する

5 骨髄穿刺施行後は、当日は入浴不可で枕子は翌日カットバンに貼りかえるまでそのままにしておく

#2血小板減少による出血傾向が強い

目標:出血傾向にあることを知り危険防止ができる

OーP(観察)

1 検査データ:血小板、出血時間、凝固時間、FDP

2 VS

3 自覚症状:頭痛、眩暈、血痰、タール便、血尿、鼻出血、歯肉出血、点状出血班、視力障害、消化器症状

TーP(実施)

1 筋肉、皮下注射の禁止:やむを得ない場合にはできる限り細い注射針を使用し揉まない

2 環境整備を行い、危険物を除去する

3 身体の一部分に強い圧迫を加えない

a マンシェット、駆血帯は衣類又はタオルを巻いた上から行い、短時間で済ませる

b 清拭時には強くこすらない

4 排便のコントロールを行い便秘にさせない

5 痔がある場合には、肛門の処置を行い保清に努める:ウオシュレット、座浴

6 患者の目に見える出血には不安を生じやすいので状態を説明し安心させる

EーP(教育)

1 日常生活指導を行う

a 豚毛または水歯磨きを使用する

b 鼻出血防止の為、鼻は強くかまない

c 下着はゆったりとした綿製品を使用する

d 入浴、清拭時には皮膚を強くこすらない

e 安静を保つ:長時間の立位は避ける

f 事故防止に努める

 

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#3骨髄の低形成による血小板減少による消化管出血がある

目標:消化管出血時、動揺が少なく誤嚥などの事故防止ができる

OーP(観察)

1 VS

2 検査データ:CBC、出血時間

3 便性状:下血、タール便

4 腹痛の有無

5 吐気、嘔吐

6 出血量、部位

7 全身状態

TーP(実施)

1 吐血時には誤嚥しないように顔を横に向ける

2 上部消化管なら冷罨法で血管の収縮が増強するが、下部消化管は腸蠕動を亢進させるので注意する

3 程度に応じて絶飲食とする

4 医師の指示でトロンビン末の内服を開始する

5 四肢末梢の保温

6 状態によりADLの介助を行う

7 身体の保清に努める:口腔、肛門部の清潔

EーP(教育)

1 便の観察方法を指導する

2 安静の保持を指導する

#4骨髄低形成による血小板減少による消化管出血がある

目標:鼻出血時の処置が分かり口腔内が清潔に保たれる

OーP(観察)

1 出血部位、持続時間

2 出血量

3 検査データ:血小板、出血時間

4 VS

5 顔色

6 精神状態

TーP(実施)

1 出血時エビネフリンタンポンで圧迫止血を行う

2 頭部を高くして安静保持し、血液が咽頭に流れるのを防ぐ為に顔を横に向ける

3 鼻根部を冷罨法する

4 医師の指示によっては酸化セルロースガーゼ型、アズレン軟膏を挿入する

5 止血不能な時には耳鼻科に連絡する

6 医師の指示で止血剤、輸血を行う

7 口腔内を清潔にする為に、ポビドンヨード剤で含嗽をさせる

EーP(教育)

1 鼻を強くかまない

2 酸化セルロースガーゼ型、エビネフリンタンポンは指示あるまで除去しない

3 凝血は無理にとらない

4 止血するまで安静を保持する

#5骨髄低形成による血小板減少の為に歯肉出血を起こす

目標:止血方法が分かり、口腔内が清潔に保たれる

OーP(観察)

1 出血部位、持続時間

2 出血量

3 検査データ:PLT、FDP

4 創傷の程度

TーP(実施)

1 圧迫が可能な部位は滅菌ガーゼで圧迫する

2 エビネフリンガーゼ、またはガーゼにトロンビン末を塗布し患部に貼付する

3 ゼルホームを患部に固定する

4 出血による悪臭と不潔になりやすいためにポビドンヨード剤で含嗽させる

EーP(教育)

1 出血中は歯ブラシの使用は避け、水歯磨きを使用する

2 エビネフリンガーゼなどは指示するまで除去しない

3 食事は固いものを避ける

4 出血による悪臭と不潔になりやすいためにポビドンヨード剤で含嗽させる

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#6骨髄低形成による血小板減少の為に肺胞内出血を起こす

目標:以上の早期発見に努め安楽な呼吸ができる

OーP(観察)

1 VS

2 痰の性状

3 チアノーゼ

4 呼吸状態:回数、呼吸音、呼吸困難の有無

5 血液ガス

6 胸部レントゲン所見

7 出血部位の確認

TーP(実施)

1 胸部を氷嚢で冷却する

2 安楽な体位をとらせる:出血側を下にする

3 医師の指示で輸血、輸液の準備をする

4 急変時は挿管し呼吸管理をする

#7骨髄低形成による血小板減少により脳出血を起こす

目標:ショックに陥らず意識レベルが改善される

OーP(観察)

1 VS

2 意識レベル

3 瞳孔、眼位、対光反射、異常反射の有無、麻痺の状態

4 呼吸状態

5 脳圧亢進症状:頸部硬直

6 頭痛、吐気、嘔吐

7 眼底検査、視野障害

8 失語障害

TーP(実施)

1 絶対安静

2 急変時にはショック時の看護を参照

3 状態が安定すれば、医師の指示でリハビリテーションを開始する

#8骨髄の低形成による白血球減少により感染を受けやすい

目標:感染予防法が分かり、重篤な感染症に陥らない

OーP(観察)

1 熱型

2 呼吸器症状:咳、痰

3 咽頭痛、口内炎の有無

4 患者の行動範囲

5 検査データ:WBC(特に好中球)、CRP

6 痔の有無、便の性状、肛門周囲の状況

TーP(実施)

1 治療後の骨髄抑制の意味を、医師看護師より説明し感染予防の知識を導く

2 硫酸ポリミキシンB,アムホテリシンBで含嗽を行う

3 排便後には塩化ベンザルコニウムで座浴する、排便後塩化ベンザルコニウム綿を渡す

4 面会人を制限する:家族以外の面会人は制限する

5 エンビラケアを使用する:エンビラケアは吹き出し口より1m以内は清潔であるが、その他は不潔であることを説明する

EーP(教育)

1 間食は電子レンジなどで熱処理をする

2 外出時にはマスク着用、手洗いを励行する

3 吸入、含嗽を励行する

4 歩ける患者はウオシュレットを使用する

5 女性の場合には排泄毎に塩化ベンザルコニウム綿で清拭する

#9骨髄の低形成による白血球減少による感染の為の発熱がある

目標:体温が37度前後に保たれ脱水がなく苦痛が少ない

OーP(観察)

1 熱型

2 検査データ:WBC、ESR、CRP、細菌検査

3 水分バランス

4 感染源、感染颯の観察

TーP(実施)

1 冷罨法を行う

2 熱発時には医師に報告し血液培養の介助をする

3 抗生物質の与薬を医師の指示で行う:テストがマイナスであることを確認する

4 全身の保清に努める

5 脱水防止の為水分摂取を促す

6 感染源が明らかな場合は処置を行う

#10骨髄の低形成による白血球減少による肺炎がある

目標:胸部レントゲンの所見が憎悪なく、呼吸困難がない

OーP(観察)

1 VS

2 胸部レントゲン所見

3 呼吸状態:肺のエア入り、肺雑音の有無、程度、部位、咳嗽、喀痰、チアノーゼ

TーP(実施)

1 ベッド上安静の為身の回りの介助をする

2 呼吸困難時、医師の指示で酸素吸入を施行する

3 喀痰喀出困難ん時には吸入を施行する

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#11細胞生産の低下による感染性口内炎がある

目標:疼痛がなく食事な食べられる

OーP(観察)

1 皮膚の状態

2 口腔粘膜の腫脹、発赤、出血、白苔の有無

3 口内炎の程度と部位

4 食事摂取量

5 検査データ:CBC、CRP

TーP(実施)

1 状態に応じて、医師の処方にてポビドンヨード、ピオクタニン、ケナログ軟膏などを塗布する

2 疼痛の為食事がとれない場合には塩酸リドカインの使用を試みる

3 食べやすいように食事を変更する

EーP(教育)

1 口腔内の保清の為、ポビドンヨード剤で含嗽を励行する

2 潰瘍部にはポビドンヨードゲルを塗布する

#12感染の為、肛門周囲膿瘍がある

目標:創部の清潔が保たれ排便時疼痛を伴わない

OーP(観察)

1 肛門周囲の皮膚の状態

2 痔核、痔ろうの有無、部位

3 浸出液の性状

4 毎日の排便の状態と性状

5 疼痛の有無

TーP(実施)

1 排便後座薬を毎日施行する

2 浸出液の状態によりガーゼ交換をする

3 痔があれば座薬、軟膏を医師の指示により使用する

4 疼痛の強い時には医師の指示で鎮痛剤を使用する

EーP(教育)

1 歩行可能者は排便後ウオシュレットを利用するように指導する

2 女性の場合は排泄毎に塩化ベンザルコニウム綿で清拭するように指導する

#13輸血による副作用の可能性がある

目標:副作用を早期に発見でき、アナフイラキシーショックに陥らない

OーP(観察)

1 VS

2 輸血の副作用:発熱、悪寒、戦慄、じんましん、顔面浮腫、粘膜の腫脹、吐気、嘔吐、掻痒感、喘息発作、呼吸困難、チアノーゼ

TーP(実施)

1 輸血開始時暫くは、患者のそばを離れず様子を観察する

2 悪寒、発熱時には、湯たんぽ、電気毛布で保温に努める

3 副作用出現時には直ちに輸血を中止し、医師の指示で抗アレルギー剤を与薬する:ステロイドホルモン剤、協力ミノファーゲンCなど

EーP(教育)

1 輸血前に前もって患者に副作用を説明する

#14ステロイドバルス療法により副作用が出現する可能性がある

目標:イライラ感がなく、副作用の症状が分かり自己管理ができる

OーP(観察)

1 VS

2 食事回数

3 便の回数、性状、便潜血

4 吐気、嘔吐、吐血、下血の有無

5 血糖値、飲水量、尿量、口渇の有無

6 呼吸器感染症上、尿路感染症状

7 睡眠状態

8 精神状態:イライラ感

9 表情、言動

TーP(実施)

1 医師の指示で抗潰瘍剤の与薬を確実に行う

2 便潜血陽性の時は、食事の変更をする

3 吐血、下血があれば絶食とする為、補液を管理し安静を援助する

4 イライラ不眠が強いときは医師の指示で、安定剤睡眠剤を与薬する

5 精神状態が不安定になるため自殺などの危険防止に注意する:巡視時の確認

6 高血糖であれば医師の指示で治療食に変更しインスリン、血糖降下剤の与薬を行う

EーP(教育)

1 便の色、性状を観察する

2 含嗽励行

3 傷をつくらない

4 高血糖がある場合、糖尿病のパンフレットを参照する

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#15男性ホルモンと蛋白同化ホルモン剤使用により肝障害が出現し倦怠感がある

目標:肝庇護の知識が得られ自己管理できる

OーP(観察)

1 黄染の有無と程度

2 発熱、吐気、嘔吐、食欲不振、倦怠感、掻痒感

3 腹痛、腹部膨満感

4 検査データ:GOT、GPT、LDH、ビリルビン

5 薬剤の与薬量、期間

TーP(実施)

1 安心感を得る為に、医師より症状について説明を行いスタッフ間の統一を図る

2 症状の程度により医師の指示で薬剤を中止する

3 状態に応じて安静保持の為ADLの介助をおこなう

4 食欲低下時、嗜好に合わせて内容を変更する

5 医師の指示で食事変更し肝臓食(高カロリー高たんぱく)とする

6 掻痒感が強いときは刺激となるものは避け温湯で素早く清拭を行う

EーP(教育)

1 指示された安静度を守る

2 食後2時間はベッド上安静を守る

3 補食品も高たんぱくのものをとる

4 掻痒感がある時は皮膚をかかない

#16男性ホルモンと蛋白同化ホルモン剤使用により男性か症状が出現し悲観的になる

目標:現在の状態を理解でき、外観の変化を受容できる

OーP(観察)

1 表情、言動、精神状態:受け止め方

2 ニキビ、多毛、嗄声、筋肉増強

TーP(実施)

1 不安を除去する為、現状態が一時的なものであることを説明する

2 患者の訴えを聞き励ます

3 ニキビ出現時は医師の指示でセラペプターゼの与薬を開始する

EーP(教育)

1 自己判断で内服を中断しない

2 ニキビ出現時は皮膚の清潔に努める

a 石鹸で良く洗顔する

b 硫黄カンフルローションの使用

#17慢性疾患であり、退院後も継続治療と自己管理を行う必要がある

目標:自己の疾患を理解し感染予防と身体の管理が十分に行える

OーP(観察)

1 退院後の生活パターン:職業

2 退院後の介助者、家族の受け入れ状態

3 疾患の受け止め方、理解度

EーP(教育)

1 歯肉出血時は歯ブラシを使用せず含嗽のみとする

2 抜歯する際、医師と相談する

3 入浴時、出血班などの観察をする

4 月経周期をメモし、性器出血で不安がある時はすぐ受診する

5 起立時、眩暈、労作時のふらつき、動悸などの症状がある時は、動作をゆっくり行う

6 規則正しい生活をし過労を避ける

7 危険防止に留意する

8 外出後は含嗽手洗いの習慣を身につける

9 感染症罹患患者との接触をできるだけ避ける

10 人込みへの外出はなるべく避ける

11 外来への通院は定期的に受診する

12 消化の良いバランスのとれた食事をとる

13 高カロリー、高ビタミン、高タンパク質を考えた献立をつくる

 

参考資料:標準看護計画

料理チャンネル→https://www.youtube.com/channel/UCmnwzyXL0ZcT–wDGFuMW5A

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