吸引カテーテルは深く挿入する必要があるか?

痰が詰まると窒息してしまいます。気道が閉塞されてしまうからです。

看護師は窒息を予防する為に、気道確保の為に吸痰するのですが、痰をとることに一生懸命になりすぎて患者さん事態を見ることを忘れてしまうことがあるかもしれません。                           

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吸痰の目的を果たせば、深く挿入しなくても良いのでは

それは本末転倒です。痰を「もっと取ろう、もっと取ろう」とするとだんだんチューブを奥へ入れてしまいます。確かにそのことで多量に痰をとることが出来る場合もあります。

 

しかし気道確保が最小限出来ればよいという風に考えを改めると、吸引カテーテルを深く挿入し患者さんに苦痛や負担をかけることを避けることが出来ます。

 

医師でも、もっと深くチューブを入れて痰をとってほしいという人がいます。しかしその前に患者さんの苦痛について考慮し、最小限の負担にしなければならないと思います。

 

気管吸引を頻繁に行い、吸引カテーテルは深く挿入する必要があるか?

①吸引の合併症

気管吸引による合併症は多く報告されています。

小児では特に気管吸引による負の影響が多いと言われています。小児患者において右上葉の無気肺が多発することからその原因の一つに吸引の可能性を考え吸引圧は165㎝H2Oにすること、吸引カテーテルを1センチ以上挿入しない事を徹底しました。

 

その後無気肺の発生率を比較すると徹底前24%の患者に発生していたものが7%になったと報告しています。

無気肺の原因として右上葉への分岐部を直接吸引し閉塞させてしまう事や、吸引によって気管に損傷を引き起こすことなどを上げています。つまり吸引は無気肺を引き起こす可能性があるというわけです。

 

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②吸引の目的

吸引の目的の一つに無気肺の予防が挙げられますが、行い方を間違えると全く逆効果になる可能性もあります。深い吸引は気管に炎症を引き起こし繊毛を破壊し粘液を増加させると報告しています。

 

しかしカテーテルを深く挿入しなければ喀痰の吸引が不十分になる可能性もあります。成人の検討では49センチと29センチのチューブを使用し肺炎発生率の実験では、気管挿管期間、ICU在室日数、肺炎発生率に差がないことを明らかにしています。

 

同時に長い吸引チューブを使用した群では吸引による酸素飽和度の低下、不整脈、血痰と言った合併症が有意に多かったと報告しています。

 

さらに長いチューブを使用した群の方がICU退室後吸引のことを覚えている頻度が高かったと報告しています。

 

吸引と言う行為は合併症を起こす可能性のある行為であり、時間間隔と言うルーテインな業務として行うようなものではないのではと考えます。このような手技には必ず必要性のアセスメントが必要です。

 

  参考資料:「ケアの根拠・看護の疑問に答える151のエビデンス」